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無名校からスターダムへ! カウボーイズ救世主オースティン [近藤 祐司]
2009年10月30日(金) 15:08

カウボーイズの起爆剤として注目を集めるWRオースティン。AP Images
「棚から牡丹餅(ぼたもち)」という表現は少し荒っぽいかもしれないが、アメリカズチーム、ダラス・カウボーイズにとって、伏兵のワイドレシーバー(WR)マイルズ・オースティン(25歳)の活躍はチームの窮地を救う存在となるだろう。
これまで控えWRに甘んじていたオースティンだったが、第6週のカンザスシティ・チーフス戦に怪我で欠場したエースWRロイ・ウィリアムスの代役としてキャリア初のスタメン出場を果たすと、1966年にボブ・ヘイズがマークした球団記録を更新する合計250ヤード(10キャッチ)の大活躍。オーバータイムには、チームを勝利に導く決勝タッチダウンをキャッチして一躍注目を浴びることとなった。第7週も、チーム最多となる6捕球、171ヤード、1TDの活躍でそれまで波に乗れなかったオフェンスにモメンタムを生み、今季好調なアトランタ・ファルコンズ相手の大金星の立役者となったのだ。この活躍でチームのレシービング記録でもテレル・オーウェンス(バッファロー・ビルズ)の代役として期待されるウィリアムスを抜いてトップとなり、前週の活躍がフロックではないことを証明した。
2試合連続で170ヤード以上のレシービングを記録し、2試合の合計パス獲得ヤードの球団記録を更新したオースティンは、ファルコンズ戦の試合後、記者団に囲まれて質問攻めにあった。「僕がダラスのエースレシーバーだって? とんでもないよ。(記者の)みなさんにオースティンはtwo game wonder(2試合だけの奇跡)だったと書かれないようにしないとね」と、いつものように謙虚に質問に答えていた。
球団にとって、これほど“うれしい誤算”はない。オースティンは、ドラフト外で2006年にカウボーイズに入団した今年4年目の選手である。出身校もニュージャージー州のモンマスカレッジという無名のスモールカレッジの出身だ。2部校の出身ながら、191センチ、97キロという体格にも恵まれ、40ヤードも4秒4と俊足。大学4年間で33タッチダウンを記録したロングターゲットとしての能力が買われて、ビル・パーセルズがヘッドコーチだった時代のカウボーイズにルーキーフリーエージェント(FA)として入団。入団1年目の2006年は、スペシャルチームのみの出場でレシーバーとしてのスタッツはなかったが、2年目は5キャッチ(76ヤード)、3年目は13キャッチ(278ヤード)と少しずつ頭角を現し、これまでのハードワークが実って、今季のブレイクイヤーにつながっている。
当時、オースティンの入団を強く推したというカウボーイズのスカウトだったブライアン・ゲイン氏は「試合でも、練習でも、ウォーミングアップのキャッチボールでもとにかくオースティンはボールを落とさなかった」と当時の印象を語り、カウボーイズのレシーバーコーチであるレイ・シャーマン氏は初めてオースティンの動きを見たときの印象を、「まだ実績はないが、同じスモールカレッジ出身だったバッファロー・ビルズのスターWRアンドレ・リードを彷彿させるような動きの選手だ」と語ったという。
オーウェンスが退団以降、バーティカルスレット(縦への脅威)を欠き、QBロモに頼りきったカウボーイズオフェンスはパンチ力を欠いていた。しかし、オースティンの浮上によって、これまで過大に期待されていたウィリアムスやオースティンにレギュラーの座を奪われたパトリック・クレイトンも奮起して攻撃が全体的に厚みを増してくるだろう。WR陣の不調によってスタッツが伸び悩んでいたプロボウルタイトエンド(TE)のジェイソン・ウィッテンもオースティンが今後さらにディフェンスバックの注意を引くことによって、アンダーニースやミドルゾーンで再び敵にとって脅威な存在となるのは間違いない。
チーフス(1勝6敗)に続いて、ファルコンズ(4勝2敗)も破り、今季、初めて連勝したカウボーイズ。第8週もシアトル・シーホークス(2勝4敗)相手に3連勝を決めて、さらに勢いをつけたいところだ。いまいち波に乗れなったカウボーイズは、オースティンという予想外の新たな武器を手にし、今、NFLで最もモメンタムのあるチームになっている。
プロフィール

- 近藤 祐司[こんどう・ゆうじ]
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1974年 京都府生まれ
立命館大学パンサーズ時代はアメリカンフットボール日本代表を経験。独自の視点と感性をベースにした実況は、種目を問わず定評を得ており、NFL、 NCAAフットボール、NBA、MLBの全てで、チャンピオンシップゲームを実況する唯一のアンカー。NFLはGAORA専属、NBAがWOWOW、NCAAフットボール、MLBではJ SPORTSと多チャンネルで活躍中。7年間の在米経験で得た英語力を武器にした同時通訳と海外取材力は専門記者をも圧倒する。日本では数少ないスポーツ専門のアンカーマン。
近藤 祐司オフィシャルサイト
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