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傷だらけの開幕週、シンデレラストーリーは生まれるか [近藤 祐司]
2008年09月11日(木) 22:08

開幕戦で負傷したタイタンズのQBヤング。そのほかにもペイトリオッツのQBブレイディなど、故障者が続出した週となった。By: Streeter Lecka
開幕ウィークは、キー・インジャリー(key injury)が多発する波乱な幕開けとなった。
特に、QBトム・ブレイディの怪我は、ニューイングランド・ペイトリオッツにだけでなく、リーグ全体にとっても大きな損失となった。だが、コンタクトの激しいフットボールに大怪我はつきもの。ビル・ベリチック監督も、ブレイディがサイドラインに下がった瞬間、その後の試合プランをどう修正していくかを考えることに頭を切り替えていたはずだ。
ご存知、ペイトリオッツはその後、NFLどころか、大学時代でさえも先発した経験が無い4年目のQ Bマット・キャセルを投入し、チーフスに競り勝ち、無事、開幕白星スタートをきった。仮に2番手のキャセルも怪我で倒れていたとしても、3番手のルーキーQB、ケビン・オコネルが控えており、サイドラインでいつでもいける準備ができていた。
このように、チームは“まさかの事態”に備えていることが、厳しいレギュラーシーズンを最後まで勝ち抜く大きな分岐点となる。
だが、近年NFLでは第3QBをゲームロスターに入れないチームが増えている。今年も、32チーム中8チームがQB2人体制でシーズンに挑んでいる。45人という限られたアクティブロスターに、ほとんど出場する機会がない第3QBを抱えるよりも、スキルポジション選手を多く入れているほうが戦力アップになるというチームの考え方だ。
昨年の覇者ニューヨーク・ジャイアンツも、イーライ・マニングの控えQBデビッド・カー以外は控えQBを用意していない。オフにひざの手術を行い、プレシーズンはワンプレーも出場できなかったペイトン・マニングのインディアナポリス・コルツでさえも、第3QBがおらず、いつも試合で大きなリスクを抱えている。エースQBのビンス・ヤングを開幕週に怪我で失ってしまったテネシー・タイタンズも、第3QBがいないため、厳しい台所事情で苦しい序盤戦を強いられることとなった。
だが、エースQBがいなくなったといって、悲観的ばかりになることはない。1999年シーズン、カート・ワーナーが怪我のトレント・グリーンに代わって急遽セントルイス・ラムズのエースとなり、チームをスーパーボウル制覇へと導いたシンデレラストーリーは記憶に新しい。今回、怪我でシーズンアウトになったブレイディでさえも、2001年シーズン序盤に怪我で退いたドリュー・ブレッドソーに代わって翌週から先発QBとなり、今の地位を築いたことも周知の事実。歴史を振り返ると、常に空いたスポットを無名の選手が埋め、新しいスターが輩出されてきているのだ。
ペイトリオッツも、現役選手では3番目の連続先発記録をもっていた鉄人トム・ブレイディを失い、シーズンプランが狂って大きく軌道修正を強いられることは必至。だが、強いチームが優勝するとは限らないのがスポーツの醍醐味、万が一のために備え、うまくその環境にアジャストしたチームが、16試合の過酷なサバイバルレースを勝ち抜くのだ。
AFC東地区の優勝争いも、これで全く予想できない展開になってきた。王者ペイトリオッツの真価が問われる興味深いシーズンとなった。
プロフィール

- 近藤 祐司[こんどう・ゆうじ]
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1974年 京都府生まれ
立命館大学パンサーズ時代はアメリカンフットボール日本代表を経験。独自の視点と感性をベースにした実況は、種目を問わず定評を得ており、NFL、 NCAAフットボール、NBA、MLBの全てで、チャンピオンシップゲームを実況する唯一のアンカー。NFLはGAORA専属、NBAがWOWOW、NCAAフットボール、MLBではJ SPORTSと多チャンネルで活躍中。7年間の在米経験で得た英語力を武器にした同時通訳と海外取材力は専門記者をも圧倒する。日本では数少ないスポーツ専門のアンカーマン。
近藤 祐司オフィシャルサイト
近藤 祐司のtwitterはこちら>>
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