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システム変更で新たな一面、DTウィルフォークの進化と真価【後編】 [生沢 浩]

2012年02月22日(水) 09:01

守備の要としてフル出場が多くなったウィルフォーク。AP Images/Bill Nichols

守備の要としてフル出場が多くなったウィルフォーク。AP Images/Bill Nichols

 ペイトリオッツディフェンスは従来から3−4と4−3隊形を併用するハイブリッド型のスタイルを採用してきたが、今季はDTアルバート・ハインズワースの加入もあって4−3重視に移行した。その結果、ウィルフォークは3−4のNTというこれまでのポジションに加え、3テクニックDTやDEとしてラインナップすることが増えた。

 最も大きな違いは、昨年まではパッシングダウンではサイドラインに下がることが多かったのに対し、今季はほとんどすべてのダウンでフィールドに残る、いわゆる「エブリダウン・プレイヤー」の役割を与えられたことだ。

 ウィルフォークはDLの常識を超えたスピードとクイックネスを持ち、さらに公称145キロ(実際はこれを13キロは上回るのではないかとも言われる)の体から生み出すパワーも兼備する。この能力をフルに生かすために、ペイトリオッツはウィルフォークをディフェンスゲームプランの中心に置いたのである。

 その結果、ウィルフォークはランニングダウンではNTやDTにセットして中央の守りを固め、パッシングダウンでは3テクニックDT(OGのアウトサイドショルダーの正面に位置する)としてBギャップ(OGとOTの間)からペネトレイトしたり、DEの位置からパスラッシュしてプレッシャーをかけたりした。こうした活躍は3年連続4度目のプロボウル選出という形でも評価された(ただしスーパーボウル出場のためプロボウルは辞退)。

 皮肉にもシステム変更の契機となったハインズワースはペイトリオッツでも適応できず11月には解雇されてしまったが、ウィルフォークの多彩な能力を引き出すうえで4−3ディフェンスの転換は好結果を生んだ。

 ペイトリオッツは今後、王座奪回のためにリーグワーストクラスだったディフェンスの再構築に乗り出す予定だ。4−3を維持するのか従来の3−4に戻すのかは未知数だが、いずれのフォーメーションでもウィルフォークがDLの中心をなすことは間違いないだろう。ディフェンス改造はウィルフォークの存在を礎として実施されることになる。

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プロフィール

生沢 浩

生沢 浩[いけざわ・ひろし]
1965年 北海道生まれ
ジャパンタイムズ運動部主任。編集プロダクション『InsideBlitz』編集主幹。上智大学でフットボールのプレイ経験がある。本業の傍ら、『アメリカンフットボールマガジン』、『タッチダウンPro』などに寄稿。NFLは1993年から毎シーズン現地で取材している。現在、NHK衛星放送および日本テレビ系CSチャンネルG+のNFL解説者。訳書に『NFLに学べ フットボール強化書』(ベースボールマガジン社刊)がある。日本人初のPro Football Writers Association of America会員。
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