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OTオアー感動の実話に基づく映画が日本公開へ [近藤 祐司]
2010年02月12日(金)

レイブンズのOTオアーの実話を題材にした映画が日本でも公開。AP Images/David Drapkin
アメリカのテレビ史上最多となる平均視聴者数1億650万人という新記録を作った第44回スーパーボウルは、ニューオリンズ・セインツがインディアナポリス・コルツを破り、創設44年目にして初優勝を手にした。2005年のハリケーン・カトリーナの傷から完全に癒えていないニューオリンズの街が、セインツの優勝で復興のペースを早めているようだ。アメリカンフットボールは、2010年シーズンに向けての準備期間に入る。
フットボールファンとして一息つきたくなるこんな折、Two Thumbs Up!な映画が日本に上陸することが決定したのでご紹介したい。このコラムでも一度触れたボルティモア・レイブンズのオフェンスタックル(OT)、マイケル・オアーの感動の実話に基づくストーリーで、『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇跡』が原作となった映画『幸せの隠れ場所』である。
『オールドルーキー』でおなじみのジョン・リー・ハンコック氏が映画化。主演は、この作品で今年のゴールデングローブ賞を獲得し、アカデミー賞も最有力とされる女優サンドラ・ブロックがキャリア最高との呼び声高い演技を見せている。
オアーの家庭教師役には、映画『ミザリー』でおなじみのオスカー女優、キャシー・ベイツがいい味を出している。そしてこの映画、フットボールファンにとってうれしいのは、マイケル・オアーを各大学から熱烈にスカウトされるシーンで、本物のトップカレッジのHC本人が熱演しているところだ。この映画のストーリーに共鳴し、サンドラ・ブロックと共演できることが最後の口説き文句になったというが、コーチ達の普段は絶対に見られない、リクルーティングの模様がリアルに描かれていて興味深かった。特に、2009シーズンにアラバマ大学を全米チャンピオンに導いたニック・セイバン氏がテューイ家をリクルート訪問するシーンでは、セイバン氏のその甘いマスクで選手の母親の心を射止めるといわれるほどの名リクルーターぶりが発揮されている。また、伝説のHCで、昨年は日本に来日したルー・ホルツ氏もかつて率いたサウスカロライナ大のHCとして存在感を示し、映画のリアリティが増していた。
だが、誤解してはいけないのが、この作品は、決してアメリカンフットボール映画ではないという点だ。むしろこれは、スラムで育った一人ぼっちの黒人少年マイケルとその少年を受け入れた裕福な白人のテューイ家の心の絆を描いたヒューマンドラマなのだ。この映画においてのアメリカンフットボールは、この両者の物語を推進させた要素にすぎない。
一人ぼっちだったマイケルが、あたたかい家族の愛に触れ、家族の大切さを知り、その家族と共に知らなかった自分の驚くべき才能を開花させていくのだ。裕福なテューイ家もマイケルを家族として受け入れることによって、自分たちの恵まれた環境に感謝する気持ちなど、これまで欠けていたことさえ知らなかったものをマイケルに気づかされていくのである。そして、何よりも、この作品がすごいのは、今年レイブンズはディビジョナル・プレイオフで敗れてしまったが、マイケル・オアーの物語はまたまだ進行中だということ。この映画を見た後に、オアーが出場する試合を見れば、感情移入せざるを得ない気持ちになるのは間違いない。
日本での公開は今月27日から全国の映画館で上映される。まずは、このハートウォーミングなストーリーで、2009シーズンの高揚した気持ちを癒してみてはいかがか?
・映画の公式サイトはこちら
プロフィール

- 近藤 祐司[こんどう・ゆうじ]
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1974年 京都府生まれ
立命館大学パンサーズ時代のアメリカンフットボール日本代表の経験を活かし、独自の視点と感性をベースにした実況は、アメフト、野球、ロードレースなど、種目を問わず各局から定評を得ている。7年間の在米経験で得た英語力を武器にした海外取材力は専門記者をも圧倒する。日本では数少ないスポーツ専門のアンカーマン。
近藤 祐司オフィシャルサイト
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映画「しあわせの隠れ場所」の題材となったマイケル・オアー。今季の活躍は?




