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スーパーボウルCMに“神の子”ティーボウ登場 [近藤 祐司]
2010年01月29日(金) 08:00

NFL入り前から注目を集めるティーボウ。(AP Images/Phil Coale)
現地2月7日、マイアミで行われる第44回スーパーボウルは、1993年シーズン(ダラス・カウボーイズ対バッファロー・ビルズ)以来となるカンファレンストップシードチーム同士の対戦となった。もうすぐ、今シーズンもクライマックスを迎える。
そんな楽しみな対戦となるスーパーボウルのフィールド外で、今、アメリカで大きな議論を呼んでいることがある。
このコラムでも紹介したことがあるハイズマン・トロフィー受賞クォーターバック(QB)、ティム・ティーボウ(フロリダ大4年生)が、今年のスーパーボウルのコマーシャルにフォーカス・オン・ザ・ファミリー(家族を大切にしよう)という名の保守キリスト教の関係団体の30秒コマーシャルに、母親のパムさんと一緒に出演することが話題となっている。
敬虔なクリスチャンであることで知られるティーボウは、父も「ボブ・ティーボウ福音会」を設立した宗教家で、ティムは両親がフィリピンで布教活動を行っていた時に授かった子であるという。当時、母パムさんがティーボウを妊娠したフィリピンで、重い赤痢を患い、大量の抗生物質を服用したため医師が中絶を強く勧めたが、パムさんが思いとどまった結果、大学2年時に史上最年少となるハイズマン・トロフィー受賞やフロリダ大の4年間で2度の全米チャンピオンに輝くという「神の子」を授かったというサクセスストーリーは、全米でも広く知られる。
今回は、ティーボウの関係する団体(プロライフ)がスポンサーとなった「Celebrate Family, Celebrate Life」(家族と命を祝福する)というテーマで、家族の絆の大切さや中絶反対のメッセージを訴えるものだ。
ご存知、アメリカには様々な人種や宗教の人たちが一緒に生活するため、偏った政治や思想についてのメッセージを公に語ることはタブーとされている。ましてや、一枠300万ドル(約3億円)といわれ、最も話題性があることで知られるスーパーボウルCMに登場することで、大きな議論を呼んでいる。特に、中絶問題は、宗教色が濃く、大きな話題に発展することが多い。現に、このCMについて発表されると、人権団体、動物愛護団体、女性差別反対団体からすぐに「メッセージが偏りすぎていて、これなら我々のコマーシャルも許可するべきだ!」という抗議が殺到しているそうだ。
昨年も、このフォーカス・オン・ザ・ファミリーという保守キリスト教の関係団体は、第43回スーパーボウルでCMを流そうと試みたが、中継を担当したNBCが“中立性に欠ける”という理由で放送を許可しなかったいきさつがあった。だが、今回の中継を担当するCBSの広報担当者は、「我々のガイドラインに基づき、しっかり放送内容の検証をおこなった結果、家族の絆をメッセージとするCMで、放送には何も問題がない」という。
現在、アラバマ州・モバイルでカレッジのオールスター戦であるシニアボウルに出場するために練習に参加しているティーボウは、騒がしくなってきたこの話題についての意見を求められると、「賛成する人ばかりでないことは十分に理解しています」と動じずに語り、さらに確信をもってつづけた。「でも、反対する人たちも、僕が自分の信念を主張することを否定はできないと思います。僕は、説教じみてこのメッセージを語るつもりはないが、自分の信じることはこれからもどんどん主張したいと思っている」と自らの信念を、取り囲む記者団に語ったという。
毎年、この時期は、スーパーボウルのコマーシャルについての話題が出てくるが、まさか、まだNFLに入団もしていないカレッジプレイヤーがスーパーボウルCMに出場することが話題になるのは、初めてのことではないだろうか?
カレッジフットボールのスター選手がNFLで活躍できる保証などどこにもない。逆に、これらの個人の目立った行動を球団やスカウト達は、チーム全体への影響を考えて、フットボール以外のことでマスコミを騒がすような選手の指名を見送る可能性もゼロではない。
来年4月のNFLドラフトで、果たして、どのチームがティーボウを指名するのだろうか? 今から楽しみになってきた。
プロフィール

- 近藤 祐司[こんどう・ゆうじ]
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1974年 京都府生まれ
立命館大学パンサーズ時代はアメリカンフットボール日本代表を経験。独自の視点と感性をベースにした実況は、種目を問わず定評を得ており、NFL、 NCAAフットボール、NBA、MLBの全てで、チャンピオンシップゲームを実況する唯一のアンカー。NFLはGAORA専属、NBAがWOWOW、NCAAフットボール、MLBではJ SPORTSと多チャンネルで活躍中。7年間の在米経験で得た英語力を武器にした同時通訳と海外取材力は専門記者をも圧倒する。日本では数少ないスポーツ専門のアンカーマン。
近藤 祐司オフィシャルサイト
近藤 祐司のtwitterはこちら>>
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